ミリタリーパンツの中でも仕立ての良さが際立つFrench Military M-47。昨今のユーロヴィンテージのブームで以前からは考えられない価格で取引されております。主に前期、後期と分けられ前期はトップボタンを二つで留める仕様に生地がコットンツイルというのが特徴。後期は50年代後半からヘリンボーン素材の使用が始まりトップボタンはひとつに変更とつくりが簡素化されてゆきます。
アメリカ軍のM-65と並ぶ名作で過去には某有名○ジェラがこのパンツの縫製クオリティに感銘し、裏返しにしてモデルに穿かせ、ランウェイ歩かせたことでも有名です。決して量産向けなデザインではないが見た目の美しさを取ったのだろう、とつい想像を働かせてしまうのはフランス軍のパンツだからでしょうか。
そしてそんなM-47のカモフラージュ柄はフランス軍外国人部隊に支給されていたアイテムの為もともの生産量が少なく古着市場でもあまり見られない珍しいアイテムです。オリジナルのカモ柄はリザードカモと呼ばれ後にアメリカがタイガーカモを作成するにあたり参考にしたとされる柄。ですがそんなフランスのリザードカモも元はイギリスのブラッシュストロークカモを元にしたと言われています。
今回FOBが作成したカモ柄はこのブラッシュストロークカモとリザードカモの間のような落ち着いたタッチの柄域で街にも馴染むカモフラージュに。この柄域を平織り生地で仕立てています。

 

ミリタリーデザインは数多く復刻されていますが、M-47の復刻は実は少ない。それはディティールが複雑だからという理由が挙げられます。腰前やサイド、バックとポケットだけで非常に凝ったつくりをしていて、そのまま復刻というのは非常に困難。合わせて裏のつくりも丁寧なので数をつくるに適していない為メーカーもあまり手を出していませんでした。
しかし、今回FOB FACTORYが満を持して製作。ディティールベースは前述した後期のモデルをもとに。特徴としては前ポケットがとにかく美しい。スラッシュポケットではなく、わざわざ生地を割り端には閂止めと非常に手が込んだディティールなのです。さらにサイド、バックポケットはボタンを隠すヒヨクが付き、サイドポケットに至ってはボタンが二重、マチ底にはヘリンボーンテープで補強を施しています。尻には当て布があり、これは縫い目が重なり縫い代を隠すためにあて布を施しています。膝にもあて布、裾にはタブとボタン。ベルトループは上下流し込みとなり叩いていません。ポケットの端処理から股の当て布など裏も非常に面倒なつくりをしています。サイズ表記はM-47ならではの2つの数字の羅列にちなんだタグも別途貼り付けてります。S=22,M=23,L=24,XL=25です。
 

岡山県の南端に位置する繊維の町、児島にて職人と一丸となって服づくりを行なうFOB FACTORY。
質の良い生地、確かな縫製。そこにある丁寧さと安心感。
それぞれの技術や生地の特性、そして着用する身体そのものやその生活を考えることで必然的に生まれるデザイン。FOBの服は流行り廃りではなく、いつ見てもベーシックでいつの時代でも着る事の出来る服が多い。使い捨てではなく、愛着を持って着て頂けるようなそんな服作りを目指しています。